突然ですが、「ワーママはるさん」という方を知っていますか?
ボイスメディアVoicy で、パーソナリティーをされている方です。
総再生回数が1500万回を超えるトップパーソナリティーで、建設的な考え方やはっきりと自分の意見を話される様子が爽快な方です。
はるさんもこれまでワーママとして生き抜いてきているので、渦中にいる自分と同じような悩みを乗り越えた経験があります。
さて、そんなワーママはるさんが書かれた『ライフシフト習慣術』という書籍があります。
この本はこんな方に、興味深く読み進めてもらえる内容です。
・結婚・出産後も仕事復活の可能性がある
・共働き家庭として、夫婦が一緒に家事育児をまわすスタイルにしたい
・共働き家庭だが、どうも妻の機嫌が悪い。(妻の気持ちを理解したいけど、ピンと来ない)
・ワーママとして働いているが、夫婦の中でアンバランスさを感じているけどどうしたらいいかわからない
なんとなく、当たり前になっているけれどなんだかモヤモヤする・・・
そんな想いをバシッと言葉で表現してくれています。
ワーママの観点から、自分らしく生きていくために実践してきたことが
「子育て」
「仕事」
「お金」
「人間関係」
「学び」
の5つのカテゴリーに分けて紹介されいます。
1つ1つの問題に対して、こんな対策をしてきたという具体的な方法や考え方が書いてあるので自分も実際にと入りれられるのが魅力の本です。
『ライフシフト習慣術』が「はじめに」で泣ける理由
正直、はじめは「そうなんだ~。スゴイなぁ。」と思うくらいの関心度だったのですが、
あるとき、
「はじめにを読んで、電車内で泣いてしまった」
という感想を聴いて、即購入しました。
だって、どういうこと?って気になりますよね…
しかも、この「はじめに」を読んで涙を流したという感想は、この方だけではなかったそうなのです。
想いが言葉になるから
Amazonの梱包をあけ、好奇心に心躍らせながら早速読み進めていきました。
「はじめに」に書かれている文章を目で追うほどに、なぜかグッと来るものがあります。
号泣ではないけど、涙目。
でも、決して波乱万丈の人生や九死に一生を得た出来事が書かれているわけではありません。
では、なぜ心に迫るものがあるのか。
それは、今まさにライフシフト※の渦中にいる自分の「言葉にならない想い」を見事に言語化してくれているからでした。
ライフシフト
「人生の向きや位置を変え、人生に変化を起こす」こと。
これまでは、「教育→仕事→引退」の3ステージから人生が構成されていたが、長寿化により、「教育→仕事→引退」の移行を何度も経験する「マルチステージ」時代が到来する。
『飲み込んでいる』という表現に込められた気持ち
「はじめに」を読む中で、特に印象に残った表現があります。
うまくいったもの、いかないもの全てを飲み込んで、結果的には人生の血となり肉となり、現在、わたしは「教育 → 仕事 → 引退」の3段階から離脱して、「マルチステージ」を歩み始めることとなりました。
引用:『ライフシフト習慣術』 尾石 晴(ワーママはる)
仕事でも生活でも、本当の試行錯誤を経験したひとにとって、この表現は胸にグッとくるものがあるのではないでしょうか。
上記の「全てを飲み込んで」の部分には、口当たりよく味わって飲み込めたことだけではなかったことが受け取れるのです。
自分が受け入れがたいことも、嚙み砕きのどに詰まりそうになりながら飲み込んできたものがたくさんあったのではないかと。
この『飲み込んで』の表現から、ライフシフトという考え方・生き方で少し先を歩む「ワーママはる」さんが
今の自分と同じように壁にぶち当たっては試行錯誤を乗り越えてきた姿が
ありありと想起される部分なのだと感じました。
別世界のひとであった『ワーママはる』さんが、自分と同じ「人間であり・女性であり・ワーママである」と感じられるようになるのです。
そして、読み進めていく内容がさらに「自分の現状」とリンクしていき、「ワーママ」がぶち当たり続ける壁を一緒に切り抜けていくような気持ちにすらなるのです。
ワーママが抱える問題への具体的な対策
世にあふれている「ワーママ」関連のコラムや記事は、当たり障りのないド正論ばかりで現実味のない対策が書かれている印象があります。
「んなぁことは、わかってる!」
「なぜ、これ以上ママ側にがんばれと・・・」
って思うこともしばしば…
しかも、ワーママ問題の原因の多くが、昭和から変わりきらない価値観や環境がそれを助長させているものも多いと思います。
ベルマークの集計やら行事の回数や時間とかさ
短期的・個人的になにか変えたくても、どうにもならないことが多くてため息ばかりがでるのです。
しかし、『ライフシフト習慣術』には「ワーママはる」さんが、試行錯誤を繰り返してきた実生活に使える考え方や実践方法が紹介されています。
がむしゃらに走っているけど、正解もしっくりくる対策も見つからず不安に駆られている状況に道しるべを示してくれる1冊なのです。
本の中から、普段よく問題をピックアップしてご紹介します。
フリーライド問題
家事代行や産後サポートのお客様からもポツポツ話に出るのが、このフリーライド※問題です。
我が家でも起きている問題なだけに、首がもげるほどその気持ちに共感できるのです。
フリーライド
ただ乗りのこと。例えば、子どもの体調不良時に仕事調整が必要になった場合、
本来は夫(と夫側の企業)と妻(と妻側の企業)双方が仕事の調整をする必要がある。
しかし、現状では母親が看病するものという意識が強く、妻(と妻側の企業)にその調整を
させる状況が当たり前になっている。
「私だって、育休中や家事育児に専念していた分を取り戻したい!」
「子どもの対応で、私ばかり職場に頭を下げて、持ち帰り仕事もしているのに!」
こんな声を、間近で耳にしています。
子育てと仕事の両立が始まると、世の中には女性が仕事を調整するのが当たり前という意識がまだ強くあります。
そして、仕事に復帰すると母という役割を全うしつつ、社会人としての役割も求められるのです。
それなのに、家事育児の負担が妻側に多く寄せられる現状がある。
この、「本来は家族・夫婦として一緒にやるべきこと」を妻側に負担させている状況が
「私ばかり…夫はずるい」
という、不満を生み、関係が悪化する原因になるのです。
解決策の1つは、「ファミリーキャリア」という視点
フリーライド問題の具体的な解決策も段階を追ってかかれていますが、
私が1番ハッとしたのは「ファミリーキャリア」という考えかたです。
夫婦は、家族を共同経営しているパートナーである。
そして、この家族を安定して運営していくためにキャリアのアクセルを踏むタイミングを話し合う必要があるという視点です。
わが家も、お互いのキャリアについてちゃんと話し合ったことがありませんでした。
それじゃ、意識がズレるのは当たり前だなと夫婦会議の予定を入れました。
日々の生活の慌ただしさにのまれて、ちゃんとお互いの現状を把握できてなかったのは、反省!
ステージに合わせて、何度も読み返したくなる1冊
自分の置かれているステージが変わるごとに、必要なことや考えなくてはいけないことが変わります。
悩みが生まれやすい、生活のステージ変化の度に何度も手に取って開きたくなる本です。
家事育児・仕事に必死に日々を過ごすようになると、視野が狭くなってより悩みを複雑化させてしまうことがあります。
そんな懸命に生きるワーパパ(ワーパパ)が、今できること・考えておくこと
そして、その行動がどうプラスになっていくのかが道標のように書かれています。
息切れしながら、暗闇でマラソンをするような状況にいる時には本当に希望の光になる良書だと思います。